定型へのこだわりについて

 妻の誕生日が近いのでプレゼントがわりに映画「X-MEN」をおごりました。これが3部作目ですね。賛否両論あるみたいですが、妻は非常に満足していました。僕自身はたいした作品ではないと思うんですが、しかし見せる。超能力合戦とか、各種ミュータントの多様な見せ方とか、お約束が丁寧に作られている点は好感が持てました。あの天使みたいな羽根の生えたキャラをもっと効果的に使うべき(例えばジーンと戦わせる)というのが妻の意見でしたが、あれだけいろんなキャラが出たうえにそれをやると収拾がつかなくなりそうですね。ラスト近くのジーンの破壊シーンではAKIRAを思い出しました。ミュータントものの見せ場の行き着く一つの限界なのでしょう。


 オタクというのは子供が見る作品、子供の頃に見た作品に生涯こだわる人たちだと思います。子供が好む物語には対決や勧善懲悪などある種の定型があると思うんですが(神話に似てますね)、X-MENが成功しているのはそういう定型を壊さずに、精度を上げたり、細分化したりしているところかなと思いました。オタクがきちんとした落ちにこだわる理由の淵源もここ(定型へのこだわり)にあるのかな、とちょっと感じました。エヴァはそこを壊しに行ったので話題になったのでしょう。


そういえばエヴァはなんかまた作り直すみたいですけど、僕の中では完結しているものなので、第一感は「あれになにを付け足すのかな」というものでした。貞本テイストを付け加えるのかなとか、カヲル視点バージョンも面白いよなとか、くだらない妄想で楽しんでいる今日この頃です。