一芸入試と減点法

以前事務所に押しかけてきた学生と「オタクとは何か?」について話した時の余談。


彼はオタクを受験に例え、一芸入試で僕をオタクと認める、と言いました。
ところが、僕とは正反対に、オタクと自称する人たちについては、減点法になると言います。
「『オタクを自称しているくせに、こんなことも知らないのか』と穴を突かれるわけですね。ですからこういうタイプは『オタクじゃない』と言われやすい。五教科すべてで満遍なく点を取らなければならないんです」
この話を聞いて、何で宅八郎君や東浩紀さんが「オタクじゃない」と言われがちなのか、やっと分かりました。


自分をオタクと思っていない人間を「オタク」と考えたがり、オタクを自称する人間を「オタクじゃない」と言いたがる。なかなか微妙な心理です。その背景にはさまざまな理由があるでしょうが、オタクとは何かということがいまだにあいまいなため、それで通ってしまう、というところはあるでしょう。


いずれにせよ、こういう心理が一般的である以上、穴だらけである僕がオタクを自称するのは永遠にやめておこう、と思ったのでした。