妖鳥シレーヌの夢

この間、西郷信綱の「古代人と夢」という本を寝る前に読みました。これは文字どうり古代日本人と夢の関係について論じられた本で、読むたびに目からうろこが落ちます。


その中に、夢と地母神についての記述があり、夢は夜に属するとともに大地に属するために、地母神とのかかわりが深いのだそうです。仏教説話では、夢を授けてくれるのは、地母神の系譜を引く観音が多いのだとか。また、地母神の宿る洞窟は「最初の住居であるとともに最後の住居である」とも述べられています。


「それは胎であるとともに墓所であることを意味する。こうして、洞窟は母性と死とのダブルイメージとなるのである。死――つまりそれは母なる大地が支度してくれている、自然の墓所である」


これを読んだ時に僕が思ったのは、綾波長門に見取られて死ぬというのは、案外気持ちいいことなのかもしれないな、ということでした。そろそろいい年になってきたので自分が死ぬ時のことをよく考えるわけですね。このブログの中で、僕は綾波地母神として論じていますし、長門の中に強い母性をみることもあるので、そういう連想が働いたのでしょう。


そうしてとろとろしているうちに眠ってしまったわけですが、夢に出てきたのは綾波長門ではなく、デビルマンに現れる妖鳥シレーヌだったのです。


(つづく)