オタクとしての野茂英雄

野茂英雄の公式サイトが6月19日の「肘の状態について」で止まっています。手術は成功したようで、文春の記事などでは今月にはキャッチボールができるとのこと。しかしチームをやめてしまい、いつ実戦に復帰するかわからない状態です。


1991年に野茂の取材をしたことがあります。非常に自我の殻の固い人だという印象を受けました。上下関係の厳しい運動部のセカイで、あのフォームを変えなかった人なのだから、と思いました。


その自我の殻の固さは、メジャーという新天地に行って見事に生きました。そしていま、おそらくはプロでの最後の戦いを戦おうとしている。肉体的限界と戦っている。本人は50ぐらいまでやるつもりなんじゃないかと思うんですけど。まあそういう人なんで。


野茂という人は、言ってみれば「野球オタク」なのだと思います。固く変わらぬ信条。打者を上回る深い配給の読み。どこまでもわが道を進もうとする思い込み。決して運動神経のいい人じゃないと思うんだけど、ある意味、オタクのよいところが野球というスポーツで開花した人、というのが僕の野茂観です。


オタクとは何か、という問いを考えるとき、野茂のような人にオタクとしてのきちんとした位置を定位できるようになると、僕の取材も幅の広いものになるかなと思っています。野茂の最後の戦いを見極めるべく、野茂取材の企画を立てていて、そんなふうに思いました。


クイック・ジャパン67号に核の記事を書きました。政治特集の一環のようです。今月出ると思うんだけど、QJって何日発売だっけな。