フィギュアについて

新作エヴァの情報を求めてネットを渡り歩いていたら、久しぶりに1/1綾波フィギュアの写真に出くわしました。これが発売された当初、僕はよく「大泉さん、あれ買わないんですか」と聞かれました。僕は当時のフィギュアの硬そうな質感が好きになれず「1/1バルーンダミーなら買ってもいい」と答えたのを覚えています。あの頃のフィギュアは、ぜんぜん綾波に見えなかった。


時は過ぎ、昨今のフィギュアのレベルの向上には恐ろしいものがあります。それとキャラの豊穣さですね。僕は自分はフィギュアというものには生涯興味を持たないだろうと思っていたんですが、遠坂凛というキャラに出会ってツボりました。あの赤と黒コントラストがフィギュアにはまると実に素晴らしい。コトブキヤはいい仕事をしていると思います。


自分のフェティシズムの幅が広がっていくことをどう捉えるのか。感性の広がり。同好の士の広がり。一方で偏見との戦い。まさにオタクが戦っている局面の一つですね。


しかしまあ、フェティシズムという観点からすれば、人形なんて分かりやすすぎますかね。道端に転がってる石ころじゃないと興奮しない、なんて人は平気で存在しますので。それを考えると、基本的にはかわいいもので、喜ばしい出来事だと思います。俺の中の変態がまた一人増えた、というところかな。けっこう。人類はみんな変態です。


米澤さんが亡くなりましたね。以前何度か取材やイベントでお会いしましたが、いつも気持ちいい風が通っているような方でした。今やっている連載物で取材に行こうと思っていたので残念でなりません。オタクとは何かを語る上で欠かせない方だったのですが。その功績の大きさは語りつくせないでしょう。合掌。